TetherPro Optima 10G。
わざと充電できなくした、テザー撮影用のケーブル
テザー撮影(カメラとパソコンをケーブルでつないで、撮った写真をすぐ画面に出す撮り方)が途中で切れて困っているなら、Tether Toolsのケーブル TetherPro Optima 10G(4.6m・12,132円)にする。切れる原因の1つが、ケーブルでカメラを充電しながら転送することで、このケーブルは最初から充電できない設計だ。ただしカメラの電池は自分で管理することになる。現場にコンセントが無いなら、カメラに給電できる テザーワン(最大240W)のほうが向く。
どちらを買うか
カメラを充電しながら撮ると、テザーが途中で切れる
テザー撮影で困るのは速度ではなく、途中で切れることだ。切れると、撮り直しか、つなぎ直しの数分が毎回入る。
原因の1つは、USB PD(USBで機器に電気を送る規格)でカメラを充電しながら、大きな画像を転送すること。転送と充電を同時にやると接続が不安定になり、ケーブルの寿命も縮む。だからカメラメーカーは、テザー撮影中はUSB充電を切ることを勧めている。
ところが機種によっては、その設定が見つけにくい。そもそも切れない機種もある。
Optima 10Gは、最初から充電できない設計で切れにくくした
Optima 10Gは、USB PDを設計から外してある。カメラに流れるのは5V×0.9A=4.5Wだけで、ミラーレスを撮影しながら動かせる電力ではない。かわりに、撮る前にカメラの充電設定を思い出さなくていいし、充電を切れない機種でも安定する。
ケーブルの機能を削って、それを売り文句にしている製品だ。
このケーブルを選ぶ理由は3つ
1. 充電と転送がぶつからない
上に書いたとおり。切れる原因を、設定でなく設計で消してある。
2. 線の途中の回路が、4.6mでも信号を落とさない
線の途中に黒い箱が付いている。これが TetherBoost で、中身は弱った信号を打ち直す回路だ。外部電源は要らない。USB 3.2の規格上、10Gbpsで引ける長さは短いので、4.6mや9.4mが成立しているのはこの回路が入っているからだ。
線が太いのは、太い線ほど熱が逃げて回路が冷えるから。硬さはその裏返しになる。
3. カメラ側がL型の版がある
4.6mにはストレートとライトアングル(カメラ側がL型)があり、Amazonのレビューはライトアングルに240件、ストレートに28件。現場で選ばれているのはL型で、カメラの端子を守る向きに曲がる。
買う前に知っておく欠点
1. カメラに給電できない
流れるのは4.5W。カメラの電池は自分で管理する。予備の電池を回すか、ダミーバッテリーでコンセントから取るか。コンセントの無い現場で長時間まわすなら、このケーブルではない。
2. 保証が1年
テザーケーブルは踏まれて曲げられて消耗する部品なので、短い。
3. 硬くて、巻きにくい
線を太くして熱を逃がす設計の裏返し。リキッドシリコンのテザーワンのようには巻けない。
4. 1.8mの版は、富士フイルムのGFXに使えない
1.8m(途中にTetherBoostが無い版)だけ、メーカーがGFXシリーズに使うなと名指ししている。他の長さは問題ない。
5. 向きが決まっている
片側がパソコン、もう片側がカメラと決まっていて、逆には挿せない。汎用のUSBケーブルとして使い回す物ではない。
長さ・カメラ側の端子・ケーブル固定。買う前に決める3つ
テザー撮影のケーブルは、規格が合っていても現場で使えないことがある。決めるのは次の3つだ。
長さは1.8mと4.6mがある
三脚のカメラからパソコンまでを結ぶので、机とカメラの距離で決まる。1.8mはカメラのすぐ横にパソコンを置く場合、4.6mはスタジオでパソコンを離して置く場合だ。1.8mの版は富士フイルムのGFXに使えないので、GFXなら4.6mを選ぶ。
Canon・Sonyのカメラで使えるかは、カメラ側の端子で決まる
このケーブルは両端がUSB-Cだ。カメラ側の差込口がUSB-Cなら、Canonでも Sonyでも使える。ボディがMicro-BやMini-Bの世代なら、この形は付かない。買う前に自分のボディの差込口を見る。
ケーブル固定は別に用意する
テザー中にケーブルを引っ張ると、抜けるだけでなくカメラの差込口を痛める。ケーブルをストラップ金具や三脚に留める固定具(テザーツールのジャークストッパーなど)を、ケーブルとは別に買っておく。このケーブルに固定具は付属しない。
テザーワンとの違いは、カメラに給電できるかどうか
対抗はよしみカメラの テザーワン。5.5mで12,100円。長さはテザーワンが90cm長い。
(Macでは10Gbps)
太く硬め
柔らかい・暗所で光る黄色
決まるのは給電で、4.5Wと240Wは53倍の開きがある。
テザーワンで給電しながら撮ると、上に書いた「充電しながら転送すると切れやすい」をそのまま抱える。カメラ側のUSB充電を切れば避けられるが、それでは「1本で済ませる」という買った理由が消える。
現場にコンセントがあるか
ある → Optima 10G
充電しながら転送する事故が起きない
電源はコンセントから取る
4.6m 12,132円・カメラへ4.5W
ない → テザーワン
ケーブル1本で給電まで済む
カメラ側のUSB充電は切っておく
5.5m 12,100円・カメラへ最大240W
20Gbpsのケーブルは、Macでは10Gbpsしか出ない
テザーワンの20Gbpsは USB 3.2 Gen 2x2 という規格で、Macが対応していない。MacのUSBは USB 3.1 Gen 2 の10Gbpsまでで、Apple シリコンでも変わらない。Macに挿した時点で、両方とも10Gbpsのケーブルになる。
そしてテザー撮影は速度で困る仕事ではない。10Gbpsは1,250MB/秒で、60MBのRAWなら0.05秒。200枚まとめて送っても9.6秒。実際にはカメラ側の書き出しで待つので、ケーブルの速度は余っている。
結局どちらを買えばいいのか。おすすめは2通りに分かれる
Optima 10Gを買う
- スタジオや室内で、電源が取れる
- テザーが途中で切れて困ったことがある
- カメラのUSB充電を切る設定が見つからない
- 4.6m以上の距離を引きたい
テザーワンにする
- 電源が無い現場で長時間まわす
- ケーブル1本で給電まで済ませたい
- 柔らかくて巻きやすいほうがいい
- 暗い現場で足元のケーブルを光らせたい
買う前に確かめる4つ
- テザー中に電源が取れるか。 取れないなら給電できるケーブルを先に考える
- 使っているカメラがUSB充電を切れるか。 切れない機種なら、充電できない側が安全
- 要る長さ。 4.6mか5.5mかで、机からカメラまで届くかが決まる
- コネクターの向き。 カメラ側はL型のほうが端子に無理がかからない
長さから入ると、給電の有無を見落とす。先に決めるのは、現場にコンセントがあるかどうか。
最終結論
コンセントの取れる室内でテザーを引くなら、TetherPro Optima 10G を買う。 充電しながら転送する事故が設計で消えていて、4.6mでも信号が落ちない。カメラの電池はコンセントから取る。
コンセントの無い現場で長時間まわすなら、テザーワンにする。 ケーブル1本で240Wの給電まで済む。そのかわりカメラ側のUSB充電を切っておく。
僕は建築が中心で、テザーを引くのは室内の竣工撮影だ。コンセントはたいてい生きている。この2本なら、給電の無いほうを取る。撮影の途中で接続が切れる数分は、電池を替える数分より高くつく。
仕様
(1,250MB/秒)
5V/0.9A=4.5W
外部電源不要
(米国公式には3mもある)
4.6m ライトアングル 13,798円
よくある質問
テザー撮影のケーブルは給電できたほうがいいですか?
切れにくさで言えば逆です。大きな画像を転送しながらUSB PDでカメラを充電すると、接続が不安定になりケーブルの寿命も縮むため、カメラメーカーはテザー撮影中のUSB充電を切ることを勧めています。TetherPro Optima 10G は最初からPDを持たない設計です。コンセントの無い現場で長時間撮るなら、給電できるテザーワンのほうが向きます。
TetherPro Optima 10G はいくらですか?
2026年8月31日のAmazon.co.jp(国内正規品)で、4.6mのストレートがオレンジ12,132円・ブラック12,120円(税込)でした。同じ4.6mのライトアングルは13,798円、9.4mのライトアングルは29,287円です。よしみカメラのテザーワン5.5mは銀一オンラインショップで12,100円です。
20Gbpsのテザーケーブルを買えば転送は速くなりますか?
Macでは速くなりません。MacのUSBは USB 3.1 Gen 2=10Gbpsまでで、20GbpsのUSB 3.2 Gen 2x2 には対応していません。そもそもテザー撮影で流れるのは1枚ずつの画像で、60MBのRAWなら10Gbpsで0.05秒、200枚まとめても9.6秒です。ケーブルの速度はテザー撮影では余っています。
Optima 10G でカメラに給電できますか?
できません。USB PD非対応で、流れるのは5V/0.9A=4.5Wです。ミラーレスを撮影しながら動かせる電力ではないので、長時間のテザーでは予備の電池か、ダミーバッテリーでコンセントから取ることになります。
TetherPro Optima 10G USB-C ケーブル(4.6m)
価格は2026年8月31日にAmazon.co.jpの国内正規品で確認した金額(税込)です。変わるのでリンク先で確かめてください。
情報の出どころ
- 仕様・PD非対応の理由・GFXの注意
- Tether Tools公式の製品ページとFAQ(2026年8月31日)。
- テザーワンの仕様と価格
- よしみカメラ公式と銀一オンラインショップ(2026年8月31日)。
- 実売価格
- Amazon.co.jpの国内正規品(2026年8月31日・長さ違いをそろえて確認)。
- Macの対応規格
- Appleの技術仕様(2026年8月31日)。
- 転送時間
- 60MB÷1,250MB/秒=0.048秒、200枚で9.6秒。理論値。
こっちも読む
- スタジオで光も組むなら、GODOX AD200Pro の記事へ。
- 取り込む側の Mac mini の口が足りないなら Satechi のスタンド&ハブ が使えます。
- 建物の縦の線をまっすぐ撮るレンズは LAOWA 15mm シフト の記事へ。