ProGrade Digital SDXC V90 IRIDIUM。
秒10コマの連写に書き込みが追いつくSDカード
連写を続けて使うなら、ProGrade Digital SDXC UHS-II V90 IRIDIUM の256GB(型番 PGSD256GBIKJP・44,625円)にする。24MPのカメラで圧縮RAWを秒10コマ切ると、カメラは1秒に250MBを書き出す。このカードの書込は275MB/秒で、そこを上回る。同じIRIDIUMでも128GBは200MB/秒しか出ないので、250MB/秒に届かない。連写をしないなら、下位のV60 GOLD 256GB(31,800円)で足りる。
どれを買うか
連写を続けると、途中でシャッターが切れなくなる
カメラは撮った写真を、いったん内部のバッファ(カメラの中の一時置き場)に溜めてからカードへ書き出す。バッファが埋まるまでは軽快で、埋まった瞬間に止まる。そこから先の連写の速さは、カードがどれだけ速く受け取れるかで決まる。
止まる場面は決まっている。競技の入場、式の退場、通過する列車。撮り直しがきかないところで詰まる。
もう1つ、逆の失敗がある。いちばん速いカードを買って、挿して、何も変わらないというもの。カメラがUHS-II(端子が2列ある高速な接続方式)に対応していなければ、速度はカードでなくカメラ側で止まる。
IRIDIUMの256GBは、1秒に275MB受け取れる
SDカードの書き込み速度とは。読み込み速度とは別の数字
カードの箱に大きく出ている数字は、たいてい読み込み速度だ。写真を取り込むときの速さで、撮っているときに効くのは書き込み速度のほうになる。2つは同じカードでも値が違い、書き込みのほうが遅い。連写が止まるかどうかを決めるのは書き込み速度だけだ。
速度の測定は、最速のカードを探すためではない
測定ソフトが出す数字は、パソコンにつないだときの値で、カメラの中で出る速度とは別物だ。カメラ側の受け口(UHS-IかUHS-IIか)で頭打ちが決まるので、書き込みが早いカードを買っても、頭打ちより上は使われない。最速を探す前に、自分のカメラがどちらに対応しているかを見る。
24MPのカメラで圧縮RAW(カメラが撮ったままのデータを可逆で縮めた形式)を撮ると、1枚は約25MB。秒10コマなら1秒に250MBが出てくる。
IRIDIUMの256GB以上は書込275MB/秒。250MB/秒を25MB/秒上回るので、バッファが埋まったあとも書き出しが撮影に追いつく。128GBだけは書込200MB/秒で、50MB/秒足りない。同じ名前・同じV90の表記でも、ここだけ別物になる。
V90は、最低90MB/秒を保証する動画向けの表記だ。300MB/秒も275MB/秒も規格の保証ではなく、メーカーが出している上限値になる。
128GBでなく256GBを買う理由は2つ
1. 秒10コマの連写に、書き込みが追いつく
275MB/秒と200MB/秒の差は75MB/秒。必要な250MB/秒をまたぐ位置に、この差がある。128GBは足りない側、256GB以上は足りる側に入る。
2. 1枚で圧縮RAWが約10,240枚入る
1枚25MBで計算すると、256GBで約10,240枚、128GBで約5,120枚。式や競技の1日を、カードを抜き差しせずに撮り切れる。
買う前に知っておく欠点
1. 書き込み速度低下の正体。UHS-I対応のカメラでは104MB/秒で頭打ちになる
端子が1列の機種に挿すと、そこが天井になる。V60もV90も、UHS-IIで動かす前提の表記だ。カメラの仕様表を先に見る。
2. スロットが2つあっても、片方だけUHS-IIの機種がある
速いほうのスロットに挿さないと数字は出ない。2枚挿しで同時記録すると、遅いほうに合わせて止まる。
3. リーダーがUHS-Iだと、取り込みが41分かかる
256GBを読み出す時間は、300MB/秒なら14分13秒、104MB/秒だと41分2秒。カードだけ速くしても、取り込みの待ち時間は縮まらない。
4. 動画だけなら、この速度は使い切らない
4K60pの記録に要るのは25MB/秒。V60 GOLDの130MB/秒でも5倍の余裕がある。
V60 GOLDとの比較。違いは連写に足りるかどうか
同じProGradeの下位がV60 GOLD。256GBで31,800円。読出250MB/秒・書込130MB/秒で、V60は最低60MB/秒を保証する表記になる。
書込だけならNextorageのF2PROが299MB/秒で速い。IRIDIUMの275MB/秒を超えるのは24MB/秒ぶんだ。秒10コマの250MB/秒を境に選ぶなら、どちらも足りる側に入る。
連写しないなら、V60 GOLDの130MB/秒で足りる
1枚ずつ撮る撮り方だと、書込275MB/秒が働く場面が来ない。動画も4K60pで25MB/秒なので、V60 GOLDの130MB/秒で5倍の余裕がある。この撮り方でカードの速度が顔を出すのは、撮影中ではなく取り込みのときだけになる。
結局どれを買えばいいのか
IRIDIUM 256GBを買う
- カメラがUHS-II対応で、挿すスロットも UHS-II
- 連写を続けて使う(スポーツ・式・鉄道)
- 高画素機でRAWを撮る
- 1枚に長く撮って、抜き差しを減らしたい
ほかにする
- 1枚ずつ撮る・動画が中心 → V60 GOLD 256GB
- 1日で256GBを超える → IRIDIUM 512GB
- カメラがUHS-Iまで → 買わない
- 128GBは書込200MB/秒 → 連写では足りない
最終結論
連写を続けて使うなら、ProGrade IRIDIUM V90の256GBを買う。 44,625円で、秒10コマが要求する250MB/秒を書込275MB/秒で上回る。128GBは200MB/秒で足りないので、同じ製品でも容量を下げない。
1枚ずつ撮る人と動画が中心の人は、V60 GOLDの256GB。 4K60pの25MB/秒に対して5倍の余裕がある。
僕は建築が中心で連写をほとんど使わないので、手が伸びるのはGOLDのほうだ。撮り方が変われば結論も変わる。先に見るのはカードの表記ではなく、自分が連写を使うかどうかとカメラの仕様表になる。
仕様
2025年6月16日発売。それまで上位だったCOBALTは64GB以外が終息し、IRIDIUMが置き換わった。
SDXC UHS-II V90 IRIDIUM
256GB以上:275MB/秒
V90 / U3 / Class 10
(保管 −20〜85℃)
(カードの寿命測定と初期化)
よくある質問
ProGrade SDXC V90 IRIDIUMはいくらですか?
2026年9月2日のAmazon.co.jp(正規輸入品)で、128GBが29,800円、256GBが44,625円、512GBが78,795円、1TBが156,145円です。
IRIDIUMの128GBと256GBは何が違いますか?
容量のほかに最大書込速度が違います。128GBが200MB/秒、256GB以上が275MB/秒で、差は75MB/秒です。最大読出は全容量とも300MB/秒、V90としての最低持続書込は90MB/秒で共通です。24MPの圧縮RAWを秒10コマ撮ると1秒に250MBが出るので、128GBは足りず、256GB以上が足りる側になります。
V60 GOLDとV90 IRIDIUMはどちらを買えばいいですか?
連写を続けて使うならIRIDIUMの256GB以上、1枚ずつ撮る場合や動画が中心ならV60 GOLDです。GOLDは最大書込130MB/秒で、4K60pの動画が要求する25MB/秒には十分ですが、秒10コマの連写に要る250MB/秒には届きません。
UHS-I対応のカメラでV90のカードは速くなりますか?
速くなりません。UHS-Iの上限は104MB/秒で、V60とV90はUHS-IIで動かす前提の表記です。カメラがUHS-IIに対応していなければ、どのカードを挿しても104MB/秒で頭打ちになります。スロットが2つあっても片方だけUHS-IIの機種があるので、挿す側も確認してください。
連写にはどれくらいの書き込み速度が必要ですか?
24MPのカメラで1枚25MBの圧縮RAWを秒10コマ撮ると、1秒あたり250MBです。4K60pの動画は25MB/秒なので、連写のほうが10倍要求が重くなります。スピードクラス(V30・V60・V90)は動画の連続記録のための表記で、連写の性能を保証するものではありません。
ProGrade Digital SDXC UHS-II V90 IRIDIUM 256GB
価格は2026年9月2日にAmazon.co.jpの正規輸入品で確認したものです。変わるのでリンク先で確かめてください。
情報の出どころ
- 速度・容量・保証・大きさ
- ProGrade Digital公式ストアのSDXC UHS-II V90 IRIDIUM/V60 GOLDの製品ページ(2026年9月2日に確認)。
- 価格・型番
- Amazon.co.jpの正規輸入品の商品ページ(2026年9月2日・IRIDIUM 4容量、V60 GOLD 256GB、Nextorage F2PRO 256GB、SanDisk Extreme PRO 256GB を同日にそろえて確認)。
- 連写に要る速度・撮れる枚数・取り込み時間
- 1枚25MB×秒10コマ、容量÷1枚25MB、容量÷読出速度で計算。
- UHS-Iの上限とスピードクラスの定義
- SDアソシエーションのバスインターフェースとスピードクラスの規格説明(2026年8月30日に確認)。
こっちも読む
- 撮ったあとの取り込みを速くするなら、CFexpress リーダー PG05.6 の記事へ。
- ストロボを焚きながら連写するなら GODOX V1 Pro も見てください。
- カードとレンズをしまう場所は 防湿庫 ED-55CAT2 の記事へ。