ProGrade PG05.6。
Macでは20Gbpsのリーダーが10Gbpsに落ちる
20Gbpsと書かれたカードリーダーをMacに挿しても、10Gbpsでしか動かない。Appleが USB 3.2 Gen 2x2 に対応していないからだ。PG05.6はUSB4なので、ここで落ちない。
先に、要点を3つ
- Macは20Gbps(USB 3.2 Gen 2x2)に非対応。同じ20Gbpsでも、USB4のそれは別のモード
- 512GBの取り込みが理論値で6分50秒から2分31秒へ。1回あたり4分19秒縮む
- ただしスロットは1つでSDが読めない。MacではRefresh Proもヘルスしか使えない
20Gbpsのリーダーは、Macだと半分で動く
カードリーダーの箱には、いま3つの数字が並んでいる。10Gbps、20Gbps、40Gbps。
まん中の20Gbpsが罠だ。
この20Gbpsは USB 3.2 Gen 2x2 という規格で、Macが対応していない。Appleの技術仕様に載っているのは USB 3.1 Gen 2=10Gbpsまでで、Apple シリコンになっても変わっていない。
対応していない機器を挿すと、両者が持っている速度まで落ちる。M3のMacBook Airなら10Gbpsだ。
ややこしいのは、USB4にも「最大20Gbps」の転送モードがあること。名前は同じでも中身は互換性のない別物で、USB4のホストに必須なのはこちらだけ。USB 3.2 Gen 2x2 のほうは任意だから、Macは載せていない。
つまりMacで20Gbpsのリーダーを買うと、払った金額のうち上の10Gbpsぶんは動かない。
抜け道はUSB4かThunderboltのリーダーを選ぶこと。PG05.6はその側にいる。
PG05.6はUSB4の40Gbps。スロットは1つだけ
ProGrade Digitalが2023年9月29日に出した、CFexpress Type B専用のシングルスロット機だ。
公式のデータシートから数字を並べる。
×1(SDは無い)
1.0 / 2.0 / 4.0
メタルプレート
Windows 10以降
2年保証
ケーブルの長さは、公式データシートが0.8m、日本の発売時の資料が0.7mと書いていて数字が揃っていない。実測ではないので、両方あることだけ書いておく。
底のマグネットは、付属の金属プレートをノートPCの天板に貼って本体をくっつけるためのもの。転送中に引っぱられて抜ける事故を防ぐための仕掛けだ。
512GBの取り込みが、6分50秒から2分31秒になる
速さの話は、時間に直さないと判断できない。1回の撮影で512GBを取り込むとして計算した。
使うのは理論値だ。USB 3.2 Gen 2の上限は1,250MB/秒。CFexpress 4.0のCOBALTは読出3,400MB/秒。手元に多いCFexpress 2.0のカードは、ラベルに1,700MB/秒と書かれているものが標準になる。
(リーダーが天井)
(カードが天井)
(カードが天井)
4.0のカードを持っているなら、1回で4分19秒縮む。
2.0のカードのままだと1分49秒。半分以下だ。天井がリーダーからカードに移るだけで、カードの上限は変わらないから当然そうなる。
差額のほうも見る。この日のAmazonで、PG05.6が15,640円、ダブルスロットのPG05.5が12,665円。差は2,975円だった。
週2回、年104回の取り込みで積むと、4.0カードなら年7時間29分、2.0カードなら3時間8分が浮く。
2,975円で年7時間なら、僕は出す。3時間なら迷う。分かれ目はリーダーの値段ではなく、手持ちのカードが4.0かどうかだ。
断っておくと、これは理論値どうしの割り算だ。実際はカードの発熱、保存先のSSDの速度、ファイル数で落ちる。縮む方向は変わらないが、この数字がそのまま出るとは思わないほうがいい。
正直イマイチな点
いちばん大きいのはスロットが1つしかないこと。SDが読めない。
2台目にSD機を使う人は、結局もう1台ぶら下げることになる。ダブルスロットのPG05.5なら1台で済む。USB4を取ると、机の上のケーブルが1本増える。
次に、MacでのRefresh Proの制限。メーカーが出している対応表を見ると、PG05.6のMac欄だけ三角が付いている。
使えるのはヘルス(カードの寿命表示)だけ。速度を工場出荷状態に戻すサニタイズと、ファームウェアの更新は、Macからは動かない。
カードのメンテナンスをMacで完結させたい人には、これは減点だ。10GbpsのPG05.5なら全部使えるという逆転が起きている。
そして挿す側のポートを選ぶ。USB4かThunderbolt 3以降が要る。手前に安いハブを噛ませれば、そこで10Gbpsに落ちる。
最後に、CFexpress 2.0のカードしか持っていないなら、この買い物で買えるのは1回あたり1分49秒だ。素直に言えば、その人はPG05.5でいい。
買う前に確かめる順番
順番を間違えると、速いリーダーを買っても数字が出ない。
- 手持ちのカードが CFexpress 4.0 か。2.0のままなら上限1,700MB/秒で、差は1分49秒まで縮む
- Mac側のポートがUSB4かThunderbolt 3以降か。ハブ経由にしない。直挿しが前提
- SDを読む必要があるか。あるならPG05.6の1台では終わらない
- Refresh ProをMacで使うか。使うならヘルスしか動かないことを承知しておく
やりがちなのは1を飛ばすこと。リーダーを速くしても、カードが2.0なら天井はカード側にある。
先に見るのは箱のGbpsではなく、いま挿しているカードの世代だ。
買い? 見送り?
PG05.6を選ぶ
- CFexpress 4.0のカードを使っている
- 1回の撮影で数百GB持ち帰る(動画・式・長丁場)
- MacのUSB4ポートに直挿しできる
- カードはCFexpressだけで、SDを使わない
PG05.5で足りる
- 手持ちがCFexpress 2.0のカード
- SDと2枚挿しで取り込みたい
- MacでRefresh Proを全部使いたい
- 1回の取り込みが100GB前後で終わる
僕は建築が中心で、1日で数百GBになることはめったにない。
それでも取り込みの数分は、いちばん機嫌が悪い数分だ。撮り終わって、早く見たいのに待たされる時間だから。
そこを2分半に縮められるなら、3,000円は安いと思う。
よくある質問
MacはUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応していますか?
対応していません。Appleの技術仕様に記載があるのはUSB 3.1 Gen 2(10Gbps)までで、Apple シリコンのMacも同じです。20Gbpsをうたう USB 3.2 Gen 2x2 のカードリーダーをMacに挿すと、双方が持っている速度まで落ちて10Gbpsで動きます。USB4にも20Gbpsの転送モードがありますが、これは USB 3.2 Gen 2x2 とは互換性のない別のモードです。
ProGrade PG05.6はいくらですか?
2026年8月31日にAmazon.co.jpのプログレードデジタル正規輸入品で15,640円(税込)でした。2023年9月29日の発売時に公表された標準価格は15,200円(税込)です。USB 3.2 Gen 2のダブルスロット機PG05.5は同じ日に12,665円で、差は2,975円でした。
USB4のカードリーダーにすると取り込みはどれくらい速くなりますか?
理論値どうしの計算で、512GBの取り込みがUSB 3.2 Gen 2の上限1,250MB/秒なら6分50秒、CFexpress 4.0カード(読出3,400MB/秒)とUSB4の組み合わせなら2分31秒です。差は1回あたり4分19秒。手持ちがCFexpress 2.0カード(読出1,700MB/秒)なら5分1秒で、差は1分49秒に縮みます。
PG05.6でRefresh Proは使えますか?
Windowsでは全機能が使えます。Macでは制限があり、メーカーが公開しているRefresh Pro対応表(バージョン3.1.2)ではPG05.6のMac欄が三角で、カードの寿命を表示するヘルスのみ利用可、他は対応に向けて開発中と書かれています。サニタイズとファームウェアアップデートをMacで使いたい場合は、USB 3.2 Gen 2のPG05やPG05.5が確実です。
ProGrade Digital PG05.6(CFexpress Type B USB4 シングルスロットカードリーダー)
価格は2026年8月31日にAmazon.co.jpのプログレードデジタル正規輸入品で確認した金額(税込)です。変わるのでリンク先で確かめてください。