GODOX V1 Pro。
天井に向けたまま、正面にも光を出せるクリップオンストロボ。V1・キヤノン純正EL-5との違い
室内で人を撮るなら、GODOXのカメラの上に載せるストロボ V1 Pro(型番・54,560円)にする。ヘッドを天井に向けたまま、手前の小さな発光部 SU-1 が正面にも弱い光を出すので、影は柔らかいまま瞳に白い点が入る。ひとつ下の V1(47,487円)と最大出力は同じ76Ws。違いはSU-1と、USB-Cで充電できる電池の2つだ。
どれを買うか
EL-5(Ver.2)
ストロボを天井に向けると、影は柔らかくなるが目に光が入らない
カメラの上に載せたストロボを顔に直接向けると、鼻の横と首に濃い影が出る。だからヘッドを天井に向けて、跳ね返ってきた光で撮る。これを天井バウンスと呼ぶ。
影は柔らかくなる。ただし光は全部上から来るので、まぶたと鼻の下に影が落ちて、瞳に映る白い点(キャッチライト)が消える。人の写真は、この白い点があるかないかで顔の印象が変わる。
ヘッドに白い紙をゴムで留めて、光の一部を正面に返すやり方が昔からある。紙なので正面の光の量は選べず、強すぎれば顔に直接当てたときの影が戻る。
V1 Proは、ヘッドを天井に向けたまま正面にも光を出せる
V1 Proは、丸いヘッドの手前に SU-1 という小さな発光部が差さっている。ヘッドを天井に向けたまま、SU-1が正面に弱い光を出す。天井からの柔らかい光に正面の光が足されて、瞳に白い点が入る。
SU-1の光の量は、本体側で1/1から1/128まで変えられる。紙と違って、正面の光の強さを自分で決められる。
要らない部屋では抜ける。 差し込み式なので、天井に向けるだけで足りる部屋では、ただの丸ヘッドのストロボとして使う。
V1ではなくV1 Proを買う理由は2つ
1. 天井に向けたまま、正面に光を足せる
GODOXの丸ヘッドのストロボは、安い順に V1・V1 Pro・V100 の3機種。SU-1が付くのはV1 ProとV100で、V1には付かない。 上に書いた「天井に向けたまま瞳に白い点」は、V1ではできない。
2. 電池がUSB-Cで充電できて、フル発光500回
電池は VB30(2980mAh)で、電池だけをUSB-Cケーブルで充電できる。V1の電池 VB26(2600mAh)は専用の充電器に載せる方式で、遠征に充電器を1つ持って行くことになる。
1回の充電でフル発光できる回数は、V1の480回に対して500回。弱い光で焚けば回数はこれより増える。
V1 Proの値段は54,560円で6月から動いていない。10月19日に下がったのはV100とV480
10月19日の価格.comの最安値は、V1 Pro(キヤノン・ニコン・ソニー用)が54,560円。6月から同じ値段のままだ。富士フイルム用とOM・パナソニック用は62,040円で、希望小売価格から下がっていない。
同じ日に、上のV100(キヤノン用)は74,800円から68,000円に、角型のV480(キヤノン用)は34,650円から31,500円に下がった。V1は47,487円で、8月から動いていない。
V1 Proの値下がりを待つ理由は、いまは無い。 欲しい機能がSU-1なら、この値段で買っていい。
レビューで評価されているのは、続けて焚いても止まらないこと
価格.comのV1 Pro(キヤノン用)のレビューは2件で、満足度は3.50。評価が5と2に分かれている。
5を付けた人は、撮影会で使っている。メインのヘッドを1/4、SU-1を1/16にすると、シャッターを切る間隔で充電が間に合うと書いている。100回を超えて続けて焚くと間隔が伸びるが、予備の電池に替えると戻ったそうだ。
2を付けた人は、明るさがキヤノン純正のストロボより足りないと感じ、作りが安っぽいと書いている。純正と比べて迷う人は、下の比較でEL-5と並べてから決める。
キヤノン純正のEL-5(Ver.2)が10月29日に出る
キヤノンは9月16日に、クリップオンストロボ スピードライト EL-5(Ver.2)を発表した。2023年のEL-5の後継で、変わったのは電波で離れたストロボを光らせる距離だけ。最大30mから最大50mに延びた。キヤノンオンラインショップの価格は66,000円、価格.comの予約の最安値は58,119円。
EL-5(Ver.2)にもSU-1にあたる発光部は無い。この記事で並べた5機種のうち、天井に向けたまま正面に光を足せるのはV1 ProとV100だけだ。
買う前に知っておく欠点
1. V1より50g重い
電池を入れて580g。SU-1を挿すと約601g。V1は電池込み530gで、買い替えると50g増える。三脚に載せるなら関係ないが、1〜2時間首から下げて動く撮影では効く。
2. 76Wsは屋外の日中には足りない
76Wsは、室内で人ひとりを照らす量だ。日中の屋外では太陽より明るい光を当てないとストロボの効果が出ないので、足りない。上のV100に替えても、増えるのは約0.4段だけ。屋外が中心なら、200Wsの AD200Pro のほうになる。
3. SU-1はV100にも付く
V1 Proだけの機能ではない。V1 Proを選ぶのは、SU-1は要るが、100Wsの明るさとタッチ画面は要らない人になる。
4. 外部電源で速くなる数字が出ているのはV100だけ
PB960(別売の大きな電池)をつなぐと、V100は次の発光までの待ち時間が約1.7秒から最短0.8秒になる。V1 Proにも差し込み口はあるが、何秒になるかの数字は無い。PB960を常用するならV100にする。
5. 100回を超えて続けて焚くと、次の発光までの間隔が伸びる
本体が熱くなると、充電の間隔が伸びる。ハイスピードシンクロ(1/250秒より速いシャッターで光らせる設定)にしているあいだも、間隔は伸びたままになる。
撮影会のように数百カット続ける日は、予備のVB30を1本持っていく。 速いシャッターが要らない場面では、ハイスピードシンクロを切っておく。
V1・V100・キヤノン純正EL-5との違い。分かれるのはSU-1と、続けて焚く速さ
丸ヘッド3機種に共通するもの
四角いストロボから乗り換える人には、これも理由になる。V1から乗り換える人には増えない。
発光面が丸いので、跳ね返した光の影の縁に角が出ない。AK-R1 という磁石で付くアクセサリーのセット(ドーム・ハニカム・色フィルター・バーンドア、実売1万円未満)が、工具なしで付け外しできる。無線の受信機を内蔵しているので、受信機を買い足さずにカメラから離して置ける(2.4GHz・最大100m)。
V1Pro-C・V1Pro-N・V1Pro-S・V1Pro-F・V1Pro-O の5種類がある
V1 Pro はカメラの会社ごとに別の型番で売られている。中身は同じで、ホットシューの接点とTTLの通信方式だけが違う。買うときは自分のカメラの記号を選ぶ。
- V1Pro-C=キヤノン(E-TTL II)
- V1Pro-N=ニコン(i-TTL)
- V1Pro-S=ソニー(TTL)
- V1Pro-F=富士フイルム(TTL)
- V1Pro-O=OM SYSTEM(TTL)
記号を間違えると、載せてもTTLが働かない。本体は後からマウントを付け替えられない。
丸ヘッドの3機種は、上に行くほど機能が1つずつ増える。V1にはSU-1が無い。V1 ProでSU-1と、USB-Cで充電できる電池が付く。V100はさらに明るくなり、背面がタッチ画面になる。
76Wsと100Wsの差は、約0.4段
ストロボの光の量は Ws(ワット秒)で書いてある。Wsが2倍になると、写真は1段明るくなる。 1段は、絞りをF8からF5.6に開けるのと同じ幅で、ISO800を1600に上げるのと同じでもある。
100Wsは76Wsの1.3倍。段に直すと約0.4段で、ISOを1段上げれば追い越せる差だ。
V1との違いは、SU-1と電池
2600mAh
2980mAh(USB-Cで充電)
最大出力は同じ。V1から増えるのはSU-1と電池の2つで、そのかわり50g重くなる。
V100に勝っている数字は3つ
PB960給電で最短0.8秒
電池は同じVB30なのに回数が違うのは、1発が明るいぶん減りが速いからだ。100Wsを積むと、そのぶん持たなくなる。
V480との違いは、ヘッドの形とSU-1
V480はGodoxの角型ヘッドのストロボで、日本では2026年2月13日に発売された(キヤノン・ニコン・ソニー用。富士フイルム・OM/パナソニック用は3月31日)。丸ヘッドでもなく、SU-1も付かない。
天井に向けたまま正面に光を足したいならV1 Pro。その機能が要らず、軽さと電池の回数を取るならV480になる。
キヤノン純正のEL-5との違いは、SU-1と充電の速さ
EL-5はキヤノン純正のクリップオンストロボで、カメラとの通信もキヤノンの設計のまま動く。次の発光までの待ち時間は約0.1〜1.2秒で、V1 Proの約1.5秒より短い。 連写の合間にも光を合わせたいなら、EL-5のほうが向く。
そのかわり、付くカメラはマルチアクセサリーシューのEOS(EOS R1・R3・R5 Mark II・R6 Mark II・R7・R8・R10・R50 Vなど)だけ。EOS R5・R6・Rのような旧アクセサリーシューのカメラには付かない。 正面に光を足す発光部も無い。
キヤノンの新しいEOSで、天井バウンスに正面の光が要らないならEL-5。天井に向けたまま瞳に白い点を入れたいなら、キヤノン用でもV1 Pro-Cになる。
ただしSU-1を使う場面が無いなら、V1 Proの主役機能は眠ったままになる。判断は1つだけ。天井にヘッドを向けたまま、正面から弱い光を足したい場面が自分の撮影にあるか。
結局どれを買えばいいのか
画面で設定を触りたい
V1 Proを買う
- 天井のある室内で、人の顔を撮る
- ストロボ1灯で済ませる現場が多い
- 移動しながら数百カット撮る(500回・1.5秒が効く)
- 受信機を足さずにカメラから離して使いたい
V1 Proを見送る
- 撮るのは屋外の日中が中心(76Wsでは足りない)
- V1を持っていて、不満が明るさだけ(V1 Proでも変わらない)
- V1を持っていて、目的がUSB-C充電(電池VB30だけ買えば足りる・税別9,500円)
- PB960の外部給電を常用する(速くなる数字があるのはV100)
- SU-1を使わず、軽さを優先する(V480は電池込み361g)
- マルチアクセサリーシューのEOSで、正面の光は要らず続けて焚く速さを取る(純正EL-5は約0.1〜1.2秒)
- 天井が高い・黒い・木目の会場が多い(天井バウンス自体が使えない)
最後の1つは、天井バウンスの弱点だ。木目の天井なら跳ね返った光が茶色くなり、5m上の天井なら戻ってくる光が弱い。そういう会場が半分を超えているなら、V1 Proの主役機能は使えない。買う前に、自分がよく行く会場の天井を思い出す。
最終結論
室内で人を撮る撮影が中心なら、GODOX V1 Pro を買う。 V1から増えるのは明るさではなく、天井に向けたまま正面に光を出せることと、500回の電池だ。
屋外の日中も撮るなら、V100にする。 約0.4段明るく、SU-1も付く。ただし1回の充電で撮れる回数は400回に減る。
キヤノンの新しいEOSで、正面の光が要らないなら、純正のEL-5にする。 次の発光までが短く、カメラとの通信も純正のまま。ただし天井に向けたまま瞳に白い点を入れることはできない。
まず1灯そろえるなら、V1でいい。 最大出力は同じ76Ws。無線もAK-R1も共通なので、あとでV1 Proを足しても無駄にならない。
僕はブライダルの室内で撮る日が多いので、SU-1のある側を選ぶ。屋外の前撮りが多い年なら、V100より先にAD200Proを見る。
仕様
2024年6月14日発売。希望小売価格は税別56,400円で、5つのマウントとも同じ。
(使うカメラのメーカーで選ぶ)
キヤノン/ニコン/ソニー/富士フイルム/OM・オリンパス・パナソニック
7.2V/2980mAh
(速いシャッターでも光が合う)
垂直 -7〜120°
(光の向きを見る常時点灯)
10段階
最大100m(受信機内蔵)
580g(電池込み・SU-1別)
(キヤノン用ケーブル PB-Cx が別に要る)
保守部品として SU-1(税別8,400円・21g) と VB30(税別9,500円・120g) が単体で買える。VB30は商品名が「V1Pro・V1共用」で、V1でも使える。
よくある質問
キヤノンのカメラなら、純正のスピードライト EL-5 とどっちがいいですか
天井に向けたまま正面にも光を足したいならV1 Proです。EL-5には正面に光を出す発光部がありません。続けて焚く速さを取るならEL-5で、次の発光までの待ち時間は約0.1〜1.2秒です(V1 Proは約1.5秒)。EL-5が使えるのはマルチアクセサリーシューのEOS(EOS R6 Mark II・R7・R8・R10など)だけで、EOS R5・R6・Rなどの旧シューのカメラには付きません。
スピードライト EL-5 と EL-5(Ver.2)は何が違いますか
電波で離れたストロボを光らせる距離が、最大30mから最大50mに延びました。外装と基本性能は同じです。Ver.2は2026年10月29日発売で、キヤノンオンラインショップの価格は66,000円(税込)。電池の充電器は付いていません。
GODOX V1 Pro と V1 の違いは何ですか
正面に光を出す取り外せる発光部 SU-1 が付き、電池が VB26(2600mAh)から VB30(2980mAh)になります。フル発光の回数は約480回から約500回。最大出力は両方76Wsで同じで、明るさは変わりません。重量は530gから580gに増えます。
V100 との差はどれくらいですか
最大出力が76Wsから100Wsになり、写真では約0.4段明るくなります。背面が2.3型のタッチ画面になり、SU-1も付きます。1回の充電でフル発光できる回数は約500回から約400回に減り、次の発光までの待ち時間は約1.5秒から約1.7秒に伸びます。
電池は単三でも使えますか
使えません。専用のリチウムイオン電池 VB30 で動きます。VB30 は電池単体をUSB-Cケーブルで充電できます。別売の外部電源 PB960 をつなぐ差し込み口もありますが、接続には対応マウントを問わずキヤノン用のケーブル PB-Cx が別に要ります。
富士フイルムやOM SYSTEMのカメラで使えますか
使えます。国内では V1Pro C・N・S に加えて、富士フイルム用の V1Pro F と、OM・オリンパス・パナソニック用の V1Pro O が売られています。F と O は2025年7月25日に受注開始で、希望小売価格は他のマウントと同じ税別56,400円です。
SU-1 だけ後から買えますか
保守部品として単体で売られています(税別8,400円・21g)。商品名は「V1Pro専用」で、V1 Proの前面の差し込み口に付けて使うものです。V1に後付けする部品ではありません。
いま使っているV1にUSB-C充電を足せますか
足せます。電池 VB30 は商品名が「V1Pro・V1共用」で、V1でも使えます。単体で税別9,500円です。USB-C充電だけが目的なら、本体を買い替える必要はありません。
GODOX V1 Pro(丸ヘッドのクリップオンストロボ・SU-1付き)
価格は2026年10月19日に、価格.comで全機種そろえて確認した税込の最安値です。変わるのでリンク先で確かめてください。
情報の出どころ
- 仕様・希望小売価格・国内マウント
- 国内代理店ケンコープロフェショナルイメージング(KPI)の製品ページ(2026年9月1日)。
- 実売価格・値動き
- V1・V1 Pro・V100・V480・EL-5(Ver.2)とも、価格.comの最安値と価格推移グラフ(2026年10月19日)。
- レビュー
- 価格.comのV1Pro C キヤノン用のレビュー2件(2026年10月19日)。
- EL-5(Ver.2)の仕様・価格・対応カメラ
- キヤノン公式の製品ページと仕様ページ(2026年10月19日)。発表日はデジカメWatchの記事(2026年9月16日)。
- SU-1の税込価格
- 代理店の税別8,400円に消費税10%を足した金額。
- V480の仕様・発売日
- Godox公式の製品ページとKPIの製品ページ、Godoxの日本語マニュアル(2026年9月28日)。
- 段数
- 光の量が2倍で1段。100÷76=1.32倍を2の対数で0.4段とした。
こっちも読む
- 光量が足りなくなったら、次は 200Wsの AD200Pro です。
- 連写でストロボを焚くなら、書き込みが追いつくSDカード も確かめてください。