GODOX AD200Pro。
カメラから離して置く、200Wsの小型ストロボ
クリップオンを1灯持っていて、傘やソフトボックスに入れると光が足りない。そこで足す1台が GODOX AD200Pro(60,500円)でいい。クリップオンより約1.4段明るく、傘やソフトボックスに入れても光が届く。ただしカメラには載らない機種で、光らせるにはトリガーが要る。実際の入口は71,159円からだ。
どれを買うか
クリップオンに傘やソフトボックスを付けると、光が足りなくなる
ストロボの光の量は Ws(ワット秒)で書いてある。Wsが2倍になると、写真は1段明るくなる。
1段は、絞りをF8からF5.6に開けるのと同じ幅だ。ISO800を1600に上げるのと同じでもある。
GODOXのクリップオン V1 Pro は76Ws。カメラの上に載せて直接当てるぶんには足りる。
傘に当てて跳ね返したり、ソフトボックスの布を通したりすると、光は傘や布の面いっぱいに広がる。被写体に届く光は直接当てたときより1〜2段暗くなる。76Wsのクリップオンでこれをやると、絞りを開けるかISOを上げるしかなくなる。
屋外の日中も同じで、太陽より明るい光を当てないとストロボの効果が出ない。
スタジオ用のストロボなら光は足りるが、コンセントが要る。公園にも、式場の外にも、コンセントは無い。
AD200Proは、クリップオンより約1.4段明るい光を電池で持ち出せる
正式名は AD200Pro TTL Pocket Flash。TTL は自動調光のこと
店頭やAmazonの商品名は「AD200Pro TTL Pocket Flash」と長い。Pocket Flash はGODOXが付けた製品名で、鞄に入る大きさのバッテリー式ストロボを指す。TTL はカメラがレンズを通して測った明るさに合わせて発光量を決める仕組みで、マニュアルで光量を決めるモードも同じ本体に入っている。後継の「AD200Pro II TTL Pocket Flash」も同じ並びの名前だ。
AD200Proは200Ws。V1 Proの76Wsに対して2.6倍で、約1.4段明るい。
明るさの目安になるガイドナンバーは、スピードライトヘッドで52、フラッシュチューブヘッドで60(どちらもISO100)。52は、5メートル離れた相手をF10で撮れる明るさだ。60なら同じ5メートルでF12になる。
電源は本体に入るリチウムバッテリー(14.4V/2900mAh)で、フル発光で500回。次の発光までは約0.01〜1.8秒。コンセントの無い場所でそのまま焚ける。
AD200Proを選ぶ理由は3つある
1. 200Wsは、傘やソフトボックスに入れても光が届く
ADシリーズは100Ws・200Ws・300Ws・400Ws・600Wsと並んでいる。Wsが2倍で1段なので、100Wsから200Wsはちょうど1段、200Wsから300Wsは0.585段しか増えない。
傘やソフトボックスを通すと、被写体に届く光は1〜2段暗くなる。100Wsだとここで足りなくなり、200Wsなら届く。その先は1台のWsを増やしても段が伸びないので、明るさが要る日は灯りを増やすほうへ向かう。
段で数えると、100Wsから600Wsまで上げても増えるのは約2.6段しかない。Wsは倍にしないと1段にならないので、上のモデルほど数字の伸びに対して明るさが動かなくなる。
2. 発光部が2種類とも同梱で、その場で差し替えられる
先端の発光部は交換式で、2種類が最初から入っている。買い足す必要がない。
四角い発光面のスピードライトヘッド(ガイドナンバー52・35mm)と、ガラス管がむき出しで前に突き出すフラッシュチューブヘッド(ガイドナンバー60・28mm)だ。
四角い発光面は光が前へまっすぐ飛ぶ。むき出しの管は横にも後ろにも光が回るので、傘に入れたときに傘の面いっぱいまで届く。硬く当てる日と、傘で広げる日を、本体1台で行き来できる。
差し替えは手で回すだけだ。別売のヘッドも同じ場所に挿さる。丸型のH200Rが14,025円、LEDライトヘッドのAD-Lが4,158円、本体から離して使うエクステンションのEC-200が6,732円。
標準リフレクターAD-S2は別売で2,805円。
3. 2018年のAD200のアクセサリーがそのまま付く
傘のホルダーもグリッドもソフトボックスも、1つ前の世代のAD200と共通で使える。後継のAD200Pro IIも同じだ。ここで買った周辺機材は、次に本体を買い替えても使える。
2台をまとめて1灯にすることもできる。デュアルパワーフラッシュブラケット AD-B2(10,285円)で、200Wsを2台つないで400Ws相当になる。
最初から300Wsを1台買うか、200Wsを2台にするか。2台なら離して置く日も来るので、僕なら2台にする。
買う前に知っておく欠点
本体だけでは光らない。入口は71,159円になる
カメラとつなぐものが付いていない。ワイヤレストリガーは X2Tが10,659円、X3が14,212円。本体と足すと71,159円か74,712円だ。
60,500円の値札で予算を組むと、1万円ぶん足りなくなる。 3.5mmのシンクロコードでもつながるが、それだと光量をカメラの手元から変えられない。
いちばん弱く光らせても1/256で止まる
出力の下げ幅は1/256まで。後継のAD200Pro IIは1/512まで下がるので、もう1段弱くできる。
効くのは狭い部屋だ。200Wsを1〜2メートルまで近づけると、いちばん弱くしても明るすぎることがある。そうなると絞るかディフューザーを足して逃がすことになる。
灯りの系統が5つで止まる
離れたストロボはグループごとに光量を変える。旧型はA〜Eの5つまで。後継は16あり、いま何番なのかが側面に色で出る。
1灯か2灯なら関係ない。効いてくるのは灯りを増やして系統を分けはじめてからだ。
590gにはヘッドもバッテリーも入っていない
仕様表の172×54×75mm・590gは、先端のヘッドとバッテリーを外した状態の数字だ。鞄に入るのはこれより重い。
後継の260×90×79mm・990gはヘッドとバッテリーを含んだ数字なので、この2つを並べても差にはならない。
旧型の修理をいつまで受けるかは公表されていない。中古を買うときはここを見る
200Ws・500回・約1.8秒という中身は後継とほぼ同じで、性能で置いていかれた機種ではない。ただし旧型の修理受付の期限は出ていない。10年使うつもりなら、ここは買う前に代理店へ聞いておく。
AD200Pro II(AD200Pro2)との違いは、いちばん弱い光と灯りの系統
ADシリーズは AD100・AD200・AD300・AD400・AD600 の5系統すべてに「II」が出ている。AD200の世代交代で変わったのは、いちばん弱い光の下げ幅と、灯りの系統の数だ。
0.1単位
側面に色で表示
フラッシュチューブ
H200J II
パワーケーブル
クレードル式
明るさも、ガイドナンバーも、次の発光までの速さも、1回の充電で撮れる枚数も動かない。 新型で増えるのは操作の細かさと、灯りを増やしたときの管理のしやすさだ。
AD200Pro vs AD300Pro。差は約0.585段で、傘に入れて足りるかで分かれる
写真の明るさは段で数える。Wsが2倍で1段だ。AD100Pro(100Ws)からAD200Pro(200Ws)はちょうど1段上がるが、AD200ProからAD300Pro(300Ws)は約0.585段で、1段には届かない。傘やソフトボックスに入れると光は1〜2段暗くなるので、その用途で足りるかどうかが分かれ目になる。AD300Proはバルブ型のヘッドが本体に固定で、AD200Proのようにヘッドを差し替える構造ではない。
V1 Proとは役割が違う。買い替えではなく足す関係になる
同じGODOXの丸ヘッドのクリップオン V1 Pro は76Wsで、AD200Proの200Wsとは約1.4段の差がある。
V1 Proは載せて動き回る道具、AD200Proは置いて当てる道具だ。この2つは競合しない。
しかもV1 Proは2.4GHzの送受信に対応している。すでにV1 Proを使っているなら、トリガーを買わずにAD200Proを足せる。 その場合の入口は60,500円のままだ。
結局どれを買えばいいのか
分かれ目は1つ。これから灯りを3灯以上に増やすかどうかだ。増やすなら系統が5つでは足りなくなるので、16ある新型にする。増やさないなら、その16は使わないまま終わる。
AD200Proでいい
- ストロボをスタンドに立てて、離して当てたい
- 傘やソフトボックスを使う(発光部が2種類とも同梱)
- 1灯か2灯で組む撮影が中心
- すでにGODOXのトリガーかクリップオンを使っている
- コンセントの無い場所で焚く
AD200Proは選ばない
- カメラの上に載せたい(ホットシューが無い)
- 灯りを3灯以上に増やす(系統が5つで足りなくなる)
- 予算が60,500円ちょうど(トリガーで1万円超える)
- 狭い部屋で近づけて焚く(1/256でも明るすぎる場合がある)
- すでにAD100Proがあり、不満が明るさ以外(増えるのは1段だけ)
最終結論
クリップオンを1灯持っていて、傘に入れると光が足りない。この人が次に買う1台は AD200Pro でいい。
後継で増えるのは操作の細かさと灯りの管理だけだ。明るさも、次の発光までの速さも、撮れる枚数も動かない。1灯か2灯で撮るあいだは、旧型で困る場面が無い。
そして200Wsは、傘やソフトボックスを通しても光が届く。その先は1台のWsを増やしても段が伸びない。
気をつけるのは値札のほうだけ。60,500円ではカメラとつながらない。トリガーを足した71,159円が本当の入口になる。
本体の次に買うのは、僕なら傘かソフトボックスだ。ストロボの写りは、本体より前に付けるもので決まる。
仕様
60(フラッシュチューブヘッド・28mm・ISO100)
9段81段階
チューブヘッドは1/220〜1/13510秒
14.4V/2900mAh
ID 01〜99・約100m
ワイヤレスコントロールポート
ヘッドは含まず
ヘッド・バッテリーは含まず
同梱品は本体・バッテリー・チャージャー・パワーケーブル・スピードライトヘッド・フラッシュチューブヘッド・ライトスタンドホルダー・ケースが各1個。希望小売価格は税別64,800円(2025年3月7日改定)。
よくある質問
AD200Pro はカメラの上に載せて使えますか
載せる機種ではありません。ホットシューが無く、同梱されるのはライトスタンドホルダーです。カメラとつなぐ方法は3.5mmシンクロコードとワイヤレスコントロールポートの2つで、カメラから離して置き、GODOXのワイヤレストリガーで光らせます。
AD200Pro と AD200Pro II の違いは何ですか
最大出力200Ws、次の発光まで約0.01〜1.8秒、フル発光500回、ガイドナンバー52/60は同じです。変わるのは、いちばん弱い光が1/256から1/512へもう1段下がること、灯りの系統が5から16に増えること、いちばん短い閃光が1/15380秒から1/23500秒になること、ヘッドがH200 IIとH200J IIになること、充電器がUSB接続のクレードル式になることです。2026年9月2日に同じ店で確認した実売価格は60,500円と65,626円です。
本体だけ買えば撮影できますか
GODOXのワイヤレストリガーを持っていないなら、別に必要です。2026年9月2日の同じ店の実売でX2Tが10,659円、X3が14,212円。本体と合わせると71,159円からになります。すでにGODOXのトリガーや、送受信に対応した同社のクリップオン(V1 Proなど)を使っているなら、追加の出費なしで同じ電波に載せられます。
ヘッドは別に買う必要がありますか
スピードライトヘッドとフラッシュチューブヘッドの2種類が同梱されています。別売になるのは、丸型のH200Rラウンドフラッシュヘッド(14,025円)、LEDライトヘッドAD-L(4,158円)、エクステンションフラッシュヘッドEC-200(6,732円)などの追加ヘッドです。
AD100Pro や AD300Pro とどちらを選べばいいですか
写真の明るさは段で数えます。Wsが2倍で1段です。AD100Pro(100Ws)からAD200Pro(200Ws)はちょうど1段明るくなります。AD200ProからAD300Pro(300Ws)は約0.585段で、1段には届きません。傘やソフトボックスに入れると光は1〜2段暗くなるので、その用途で足りるかどうかが分かれ目になります。
AD200Pro は2台つないで使えますか
使えます。デュアルパワーフラッシュブラケット AD-B2 で2灯を組み合わせ、400Ws相当のフラッシュとして使えます。AD-B2は2026年9月2日の同じ店の実売で10,285円でした。
AD200 用のアクセサリーは AD200Pro でも使えますか
使えます。1つ前の世代のAD200と共通で、そのまま付きます。後継のAD200Pro IIも同じです。ただし個々のアクセサリーの適合は購入前に確認してください。
情報の出どころ
- 仕様・発売日・希望小売価格
- AD200Pro と AD200Pro II とも、ケンコープロフェショナルイメージングの製品ページ(2026年9月2日)。
- 実売価格
- KPI日本正規版を扱う正規取扱店1店で、ADシリーズ5系統の旧型・新型あわせて10機種と、トリガー・アクセサリーをそろえて確認した税込価格(2026年9月2日)。
- 同梱品
- 同じ店の商品ページの記載(2026年9月2日)。
- 段の計算
- Wsの比を2を底とする対数で段に直した値。100→200Wsが1段、200→300Wsが約0.585段、76→200Wsが約1.4段。
こっちも読む
- クリップオンから始めるなら、先に GODOX V1 Pro を読むと順番が分かります。
- スタジオで光を組むときは、テザー撮影のケーブル も一緒にそろえておくと止まりません。