東洋リビング ED-55CAT2。
電源を挿すだけで庫内を30〜50%に保つ53リットルの防湿庫
レンズのカビは、生えてから調べる人がほとんどだ。生えたあとにできるのは、お金を払って分解してもらうことしかない。カビが出るのは、たまにしか触らないレンズだ。東洋リビング ED-55CAT2(B)(53リットル・57,442円)は、電源を挿すと庫内を30〜50%RHに保ち続ける。 ドライボックスとの違いは、その湿度を機械が保つか、人が11か月ごとに乾燥剤を替えるかにある。
防湿庫を買うかどうか
カビが生えると、清掃に平均8,520円かかる
レンズの内側に出たカビは、拭けない。ガラスとガラスの間だからだ。
取るには分解する。単焦点1本の分解清掃で平均8,520円(税込)。安いところで4,400円、高いところで11,000円。
これは古い単焦点1本の値段だ。絞り羽根やヘリコイドの整備が要ると、ここに足される。
厄介なのは、ガラスの表面が侵食されていると、清掃しても跡が残ることだ。そこまで行くと払っても戻らない。
防湿庫の57,442円を先に払うか、カビが出てから清掃費を払うか、どちらかになる。あとで払うほうは金額が決まらない。1本で済むこともあれば、何本かまとめて出すこともある。
電源を挿すと、湿度は40%前後で止まる
ED-55CAT2の庫内湿度は30〜50%RH。電源を挿すと、その帯に入れたまま止め続ける。
乾燥剤側の目安も40%前後で、どちらも0%を目指す道具ではない。乾かしすぎると、レンズの接着剤やゴム、ミラー機のモルトが傷む。乾燥剤を大量に放り込む運用が危ういのはここだ。
防湿庫が高い理由もここにある。下げ続けるのではなく、その帯で止めるための制御が入っている。
ドライボックスを選ぶなら、湿度計は別に用意したほうがいい。乾燥剤の交換時期は袋の膨らみでも分かるが、針を見るほうが早い。
この防湿庫を選ぶ理由は3つある
1. 乾燥剤の交換が要らない
11か月ごとの交換が消える。カビは忘れられたレンズから出るので、忘れても続くかどうかがそのまま効く。
電気代は年244円。0.9W×24時間×365日で7.9kWh、1kWhを31円で計算した。
2. 奥のレンズが取れる
棚は引き出し式が2枚で、1枚あたり12kgまで。手前を全部どかさずに奥のレンズが出る。棚のピッチは26mm。
3. ガラス扉と鍵
ガラス越しに並んでいると、たまにしか使わないレンズも目に入る。フタを閉めた箱に入れたレンズは、そのまま1年触らない。
鍵は2本付属する。使わないレンズほどカビるので、目に入る場所に置けること自体が効く。
買う前に知っておく欠点
1. コンセントの近くにしか置けない
湿度を保っているのは電気で動く除湿ユニットで、挿しっぱなしが前提になる。電源を抜けば、ただの箱になる。
2. ドライユニットの位置には棚を置けない
53リットルすべてが自由に使えるわけではない。
3. 高さ59cm・重さ10kg
外寸は338×592×356mm。棚の上に載せるつもりなら、この高さが先に効く。
4. 取扱いが2ショップしかない
価格.comで扱っている店が2つだけで、値下がりを待つ買い方には向かない。
5. カビたレンズは治らない
生やさないための道具で、出てしまったものには効かない。もう出ているなら、先に修理の見積もりを取る。
ドライボックス4台との違いは、湿度を誰が保つか
カメラとレンズの適正湿度は30〜50%RH。この機械の除湿方式は乾燥剤式
東洋リビング公式が仕様に書いている庫内湿度は30〜50%RH、除湿方式は乾燥剤式だ。乾燥剤式といっても、袋入りの乾燥剤を入れて交換する方式ではない。庫内の湿気を吸った素子を電気で乾かして、また吸わせるので、中身の交換が要らない。0.9Wを挿しっぱなしにするのはこのためだ。
庫内の温度は下がらない。持っているのは湿度だけ
公式の仕様に並ぶのは庫内湿度で、庫内の温度を下げる機能は無い。決まっているのは使用環境温度だけで、庫内は部屋と同じ温度になる。冷やして保管したい人が買う機械ではない。
自作(密閉容器+乾燥剤)との違いは、湿度計を自分で見るかどうか
密閉容器に乾燥剤と湿度計を入れれば、自作でも同じ帯に入る。違うのは、帯から外れたことに気づけるかどうかだ。乾燥剤は吸い切ると止まるが、見た目では分からない。上のキングドライで約22リットルに1個・有効期限は約11か月。自作は容器代と乾燥剤代で安く始められて、忘れた月だけ湿度が上がる。
東洋リビング ED-55CAT2(B) は53リットル。ハクバのドライボックスNEO 15Lなら4台で60リットルになる。
湿度が入る帯はどちらも40%前後だ。違うのは、その帯に入れ続けるのが機械か人かという点にある。
乾燥剤はキングドライの30グラム品で、約22リットルに1個・有効期限は約11か月。60リットルなら常時3個、年に3.3個で約380円になる。
乾燥剤が切れた箱は、ただの密閉容器になる。切れたことは、外から見て分からない。
防湿庫が必要な人といらない人の分かれ目は、たまにしか触らないレンズがあるか
カビは触らないレンズから出る。毎週使うレンズは持ち出すたびに中が見えるので、白い糸のような跡が出ていれば気づく。年に数回しか出さないレンズは、次に開けたときには広がっている。
そのレンズを、どちらの入れものに入れておくかという話になる。
同じ「40%前後に保つ」でも、保つ主体が違う
防湿庫 ED-55CAT2
除湿ユニットが30〜50%RHで止める
人がやるのは電源を挿すことだけ
ガラス扉で閉めたまま中が見える・鍵2本
コンセントの近くにしか置けない
ドライボックス+乾燥剤
乾燥剤が吸って40%前後に入る
11か月ごとに人が交換する
切れたことは外から分からない
電源が要らない・どこにでも置ける
忘れても続くほうが要るか、置き場所の自由が要るか
決まるのは「何本持っているか」より、その機材をあと何年抱えるかだ。
本数が2〜3本で、年に一度は全部使うなら、ドライボックスで足りる。
レンズが10本を超えて、そのうち何本かは年に数回しか触らないなら、交換を忘れた月が出る。忘れた月に効くのは、電源を挿してあるほうだけだ。
結局どれを買えばいいのか。おすすめは2通りに分かれる
先に払っておく
- レンズが5本を超えている
- 年に数回しか使わない1本がある
- 機材を10年単位で持ち続けるつもりだ
- 乾燥剤の交換を確実に忘れる
まだ要らない
- ボディ1台とレンズ2〜3本だけ
- 全部のレンズを毎月使っている
- 数年で機材を入れ替えていく
- 置く床が59cmぶん空いていない
表に出にくい違いがひとつある。ガラス扉は中が見えるので、使っていないレンズにも気づく。 フタを閉めた箱に入れたレンズは、そのまま1年触らない。
カビは触らないレンズから出る。
最終結論
レンズが5本を超えていて、10年単位で持ち続けるなら、東洋リビング ED-55CAT2(B) を買う。 乾燥剤の交換が消えて、ガラス越しに触っていないレンズが目に入る。
ボディ1台とレンズ2〜3本を毎月使っているだけなら、ドライボックスNEO 15Lと乾燥剤で足りる。全部のレンズを毎月開けているなら、忘れる乾燥剤も無い。
もうカビが出ているなら、どちらでもない。先に修理の見積もりを取る。
仕様
2023年3月発売。価格.comの防湿庫492製品のなかで売れ筋7位(2026年9月1日)。
天板はABS樹脂で耐荷重5kg。上に物を置ける前提で作られている。
よくある質問
生えてしまったレンズのカビは、防湿庫に入れれば消えますか?
消えません。防湿庫は生やさないための道具です。レンズの内側に出たカビは分解清掃で取ります。単焦点レンズ1本の分解清掃は平均8,520円(税込)で、絞り羽根やヘリコイドの整備が加わることもあります。
ドライボックスと乾燥剤で足りますか?
本数が少なく、乾燥剤の交換を忘れないなら足ります。ハクバのドライボックスNEO 15Lはウェブ販売価格4,580円(税込)で、53リットルの防湿庫と同じ容量をそろえても4台で18,320円です。乾燥剤キングドライは30グラム品が約22リットルに1個、有効期限は約11か月なので、60リットルぶんで年に約380円かかります。決まるのは、11か月ごとの交換を続けられるかどうかです。
防湿庫の電気代はいくらですか?
東洋リビング ED-55CAT2(B) の平均消費電力は0.9Wです。24時間365日つけっぱなしで年7.9kWh、1kWhあたり31円で計算すると年244円になります。
東洋リビング オートクリーンドライ ED-55CAT2(B)
価格・仕様は2026年9月1日にメーカー公式と価格.comで確認したものです。変わることがあるのでリンク先で確かめてください。
情報の出どころ
- 仕様・保証
- ED-55CAT2(B) の仕様・庫内湿度・保証は東洋リビング公式(2026年9月1日)。
- 価格
- ED-55CAT2(B) は価格.comの最安、ドライボックスNEO 15Lと乾燥剤キングドライはハクバ公式のウェブ販売価格(2026年9月1日)。
- 分解清掃の相場
- かもめカメラが2024年に調べた17社の一覧のうち、料金を公開している13社の平均(2026年9月1日)。
- 電気代
- 0.9W×24時間×365日・1kWh 31円で計算した値。
こっちも読む
- 広角の単焦点を足す予定があるなら、LAOWA 15mm シフト の記事も参考になります。
- 機材を見直すついでに、連写に追いつくSDカード も確かめておくと撮影で止まりません。