GMKtec EVO-X2。
大きい言語モデルを手元で動かすためのミニPC
買うのは、言語モデルを自分の機械の中で動かしたい人だ。 グラフィックボードを積んだPCだと、モデルが載る量は搭載されたVRAMで止まる。EVO-X2はメモリを64GBか128GB積んでいて、その大部分をGPU側から使える。分かれ目は積んでいるメモリで、64GBだと公式が挙げるのはDeepSeek-R1 32Bまで、128GBにすると70B・109B・235Bが加わる。 メモリは基板に直付けで、買ったあとに足せない。
32Bクラスまでで足りるなら64GB。70B以上を動かすつもりなら、最初から128GBを買う
64GB+1TB
347,999円
128GB+2TB
599,999円
64GB+1TB
251,999円
グラフィックボードで組むと、モデルの大きさがVRAMで止まる
言語モデルを手元で動かすとき、まず当たるのはメモリの量だ。速さではない。
4bit量子化なら、重みは1パラメータあたり0.5バイトで済む。32Bなら16GB、70Bなら35GB。ここに文脈の長さぶんが乗る。
グラフィックボードを積んだPCだと、この16GBや35GBをVRAMに載せることになる。コンシューマ向けのカードは24GB前後で頭打ちで、そこを超えると2枚挿すか、業務用のカードに移る。どちらも机の上に置ける大きさではなくなり、電源も別に用意することになる。
Ryzen AI Max+ 395を積んだAIミニPC。メモリの大部分をGPUから使える
EVO-X2が積んでいるのはAMDのRyzen AI Max+ 395で、16コア32スレッド、GPUはRadeon 8060Sの40コア(RDNA 3.5)。メモリはLPDDR5Xの8000MHzで、64GBか128GBのどちらかだ。
このメモリはCPUとGPUで分け合う。グラフィックボードのように「GPU用の12GB」と切り離されていないので、64GBを積んだ機械なら、モデルを置く場所も64GBの中から取れる。
公式のLLMサポート表は構成ごとに書かれている。64GB+1TBがDeepSeek-R1 32B、128GB+2TBがDeepSeek-R1 32B・DeepSeek-R1 70B・Llama 4 109B・Qwen3 235B。
価格とLLMサポート表は jp.gmktec.com で2026年9月6日に確認(全構成が在庫あり)
64GB + 1TB(347,999円)
公式が挙げているのは
DeepSeek-R1 32B
128GB + 1TB(566,999円)
メモリだけを倍にした構成
ストレージは1TBのまま
128GB + 2TB(599,999円)
70B・109B・235B が表に加わる
メモリ 64GB → 128GB
70B・109B・235B が表に加わる
買ったあとに足せない
ストレージ 1TB → 2TB
動かせるモデルは変わらない
M.2スロットが2つ。後から足せる
96GB+2TB はLLMサポート表に載っているが、日本の公式ストアでは売っていない
NPUは50 TOPS、プロセッサ全体で最大126 TOPS。TDPは安定120W、ピーク140Wで、付属の電源は19.5V 11.8Aの約230W。193×185.8×77mmの箱に収まっていて、コンセントは1本で済む。
EVO-X2を選ぶ理由は3つ
1. 347,999円で32Bクラスが動く
いちばん安い構成が64GB+1TBの347,999円だ。この1台で、電源も筐体もメモリも揃っている。
同じことをグラフィックボードでやると、24GBのカードを2枚挿すか、その上のカードに手を出すことになる。置き場所と電源のほうが先に行き詰まる。
2. メモリがCPUとGPUで共通になっている
Radeon 8060Sは40コアで、EVO-X1・EVO-X1 Proが積む890Mの16コアより大きい。
ここに8000MHzのLPDDR5Xが64GBぶら下がる。グラフィックボードのVRAMと違って、モデルの置き場所と作業用のメモリを同じ池から取れる。
3. 映像も通信も足りている
映像出力はHDMI、DisplayPort、USB4で、最大7680×4320の60Hzまで。Wi-Fi 7(RZ717)、Bluetooth 5.4、2.5G LANが1本。
前面にUSB-A 3.2 Gen2が2つ、USB4 Type-Cが1つ、SD 4.0のカードリーダー、3.5mm。OSはWindows 11 Proで、Ubuntuにも対応する。写真や動画の作業機として使いながら、空いた時間にモデルを回す使い方ができる。
買う前に確かめる4つ
1. メモリは増設できない
LPDDR5Xはオンボード実装で、公式仕様に増設不可と書かれている。EVO-X1もEVO-X1 Proも同じだ。
64GBで買った機械は、あとから128GBにはできない。 ストレージはM.2 2280のスロットが2つあるので、こちらは後から足せる。
2. 64GBの次が128GBで、その間が売っていない
公式のLLMサポート表には96GB+2TBの行があり、そこにGPT-OSS 120Bが載っている。ただし日本の公式ストアで選べるのは64GBと128GBの2つだけだ。
96GBを狙って表を読むと、買える構成に無い。実際の分かれ道は64GBか128GBかの二択になる。
3. 高負荷が続くとファンの音が大きい
公式ストアの購入者レビューで繰り返し出てくるのがこれだ。安定120W・ピーク140Wを小さい筐体で捌くので、回れば聞こえる。
録音をする部屋や、寝室に置く机には向かない。
4. 復帰とドライバでつまずいた報告がある
同じレビューから、購入前に知っておく価値があるものを挙げる。スリープから復帰せず強制的に電源を切ることがある、HDMI経由の音声を起動時に主な出力として認識しない、チップセットドライバの更新が終わらない、NPUのドライバがAMD公式サイトの目立たない場所にあって入れにくい。
EVO-X3・EVO-X1 Pro・Mac miniとの違い
同じ日に、同じ公式ストアで全構成の価格を取った。
EVO-X3で増えるのはストレージの上限だけだ。 CPUはどちらもRyzen AI Max+ 395で、公式がEVO-X3の説明として書いているのは「EVO-X2の進化版、最大4TBの大容量ストレージ構成に対応」の1文だけ。4TB構成を積むつもりが無いなら、EVO-X3を選ぶ理由が無い。
Mac miniは、70B以上を動かす前提だとここで外れる。選べるユニファイドメモリは16GB・24GB・32GB・48GB・64GBの5つで、128GBの構成が無い。 128GBを選べるMacはMac Studioで、そちらはM5 Maxが419,800円からになる。
64GBまでで足りるなら話は変わる。Mac mini M5 Proは299,800円から選べる。macOSで作業したい人が、わざわざWindowsの箱を選ぶ理由は無い。
先に決めるのは、動かすモデルの大きさ
70B以上を動かす
64GBを買うと足りない
増設できないので買い直しになる
32Bまでで足りる
128GBは使い切れない
64GB+1TB(347,999円)で足りる
言語モデルは動かさない
EVO-X1 Pro 251,999円
GPUは890Mの16コア。40コアは要らない
macOSで作業したい
Mac mini M5 Pro
299,800円から。ただしメモリは64GBが上限
価格は2026年9月6日に GMKtec日本公式ストアと apple.com/jp で確認
条件別に、どれを買えばいいか
迷うのは64GBか128GBかの一点だ。 ほかの分岐は、目的のほうがはっきりしている。
最終結論
32Bクラスまでで足りるなら、64GB+1TBの347,999円を勧める。 ここを超えるモデルを回す予定が具体的にあるなら、128GB+2TBの599,999円を最初から買う。
メモリは基板に直付けで、買ってから足すという選択肢が無い。足りなかったときの直し方は、もう1台買うことしか残らない。
僕なら64GB+1TBを買う。動かしたいのが32Bまでで、いま使う予定の無い70Bの枠を先に持っておく理由が見当たらないからだ。128GBが要るかどうかは、動かすモデルが決まってから決める。
仕様
16コア32スレッド・最大5.1GHz
RDNA 3.5
(全体で最大126 TOPS)
64GB または 128GB
最大7680×4320@60Hz
2.5G LAN×1
SD 4.0リーダー/3.5mm
128GB+2TB:70B・109B・235B
GMKtec EVO-X2(64GB+1TB・347,999円)
価格は2026年9月6日にGMKtec日本公式ストアで確認した税込金額です。構成ごとに値段が変わるので、リンク先で確かめてください。
よくある質問
EVO-X2のメモリは後から増やせますか?
増やせません。メモリはLPDDR5Xのオンボード実装で、増設不可と公式仕様に書かれています。EVO-X1、EVO-X1 Proも同じです。買うときに選んだ64GBか128GBが、その機械の上限になります。ストレージ側はM.2 2280のスロットが2つあるので、こちらは後から足せます。
64GBでどのくらいの大きさのモデルが動きますか?
公式のLLMサポート表では、64GB+1TBの構成に対してDeepSeek-R1 32Bが挙げられています。128GB+2TBになるとDeepSeek-R1 70B、Llama 4 109B、Qwen3 235Bが加わります。4bit量子化なら重みだけで1パラメータあたり0.5バイトなので、32Bで16GB、70Bで35GBが目安です。実際には文脈の長さぶんが上に乗ります。
EVO-X2とEVO-X3はどう違いますか?
CPUはどちらもRyzen AI Max+ 395です。公式がEVO-X3の説明として挙げているのは、EVO-X2の進化版で最大4TBのストレージ構成に対応した点だけです。EVO-X3を選ぶ理由は、4TBのストレージ構成を積むかどうかだけです。
Mac miniでは代わりになりませんか?
70B以上を動かす前提なら代わりになりません。Mac miniで選べるユニファイドメモリは16GB、24GB、32GB、48GB、64GBの5つで、128GBの構成がありません。128GBを選べるMacはMac Studioで、こちらはM5 Maxが419,800円からです。
情報の出どころ
- EVO-X2・EVO-X1・EVO-X1 Pro・EVO-X3の価格と在庫
- 全10構成の税込価格と在庫は、GMKtec日本公式ストア(jp.gmktec.com)で2026年9月6日に確認。
- EVO-X2の仕様とLLMサポート表
- CPU、GPU、NPU、メモリ、ストレージ、TDP、電源、サイズ、端子、対応OS、構成ごとのLLMサポート表は、GMKtec日本公式ストアのEVO-X2製品ページ(2026年9月6日)。
- EVO-X3の位置づけ
- 「人気モデルEVO-X2の進化版、最大4TBの大容量ストレージ構成に対応」は、GMKtec日本公式ストアのEVO-X3製品ページ(2026年9月6日)。
- 購入者の指摘
- ファンの音、スリープからの復帰、HDMI音声の扱い、チップセットドライバ、NPUドライバの入手先は、GMKtec公式ストアの購入者レビュー(2026年9月6日)。
- Mac miniとMac Studioの価格とメモリ
- Mac miniのメモリ選択肢(16/24/32/48/64GB)とM5 Proの299,800円から、Mac StudioのメモリにM5 Maxの419,800円からは、apple.com/jp の購入ページで2026年9月6日に確認。